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出資での資金調達のメリット・デメリット

 

◆(1)出資のメリット

 

 出資での資金調達のメリットには次の3つがあります。

 

@返済する義務がない

 

A過去の経営実績よりも会社の将来性を出資者は見てくれる

 

B代表者個人が出資金の連帯保証人になることはない

 

@返済する義務がない

 

 融資に比べて出資の一番のメリットは、返済する義務がない、ということです。

 

 融資には返済の義務があるため、返済時期にはその資金を用意しなければなりません。出資は返済する義務がないため、返済の資金を用意する必要はなく、資金繰りが安定します。

 

A過去の経営実績よりも会社の将来性を出資者は見てくれる

 

 融資で受けた資金は必ず返済しなければならないことから、会社の事業において、確実に売上となる事業や、安定して売上が入る事業を経営者は優先することになります。

 

 出資は返済しなくてもよいため、うまくいったら規模が大きくなるような事業にその資金を使うことができます。

 

 出資者のほうも、株式上場や高い株価での他者への売却には、会社が大きく成長することが重要であることをわかっているため、事業を当てて会社を大きく成長してほしい、と思っているものです。

 

 以上のことから、今までは赤字続きであるが大きく成長する期待が持てる事業のネタを持っている、もしくは事業拡大に動き出している企業は、銀行から融資を受けることは不向きで、出資の方法を探るほうが合っています。

 

 そもそも、そのような企業に銀行は融資をしたがらないため、現実的に出資者を募らなければならないようになってしまうものです。

 

B代表者個人が出資金の連帯保証人になることはない

 

 代表者個人が出資金の連帯保証人になるわけではないため、代表者個人のリスクは融資に比べて小さくなります。そのため、代表者は会社を大きくするために事業に打ち込みやすくなります。

 

 しかし、ベンチャーキャピタルなどは、出資を受ける会社の代表者に、事業がうまくいかずに株式上場や売却ができなくなった場合、出資額で株式を買い取る連帯保証人的な買取請求権を投資契約書に入れてくることもあります。

 

◆(2)出資のデメリット

 

 出資のデメリットは次の2点です。

 

@出資したら株主になるため経営権を握られるか、握られなくても経営に口出しされる

 

A出資者を探すのがなかなか難しい

 

@出資したら株主になるため経営権を握られるか、握られなくても経営に口出しされる

 

 融資と比べた時の出資の一番のデメリットは、経営権の面です。

 

 出資は、出資者に株主になってもらうことです。出資によりその出資者の持ち分が50%を超えたら、その出資者に経営権を握られます。

 

 50%を超えなくても、株主となることは経営に口出しをされる、ということです。経営者としては自分の会社ではないように感じられ、自分のやりたいように経営できなくなるかもしれません。

 

 さらに、経営者は自分の株式の持ち分が少なくなってしまうため、将来、会社が成長して上場した場合、それだけ自分に入る利益が少なくなります。

 

「自分の思うように経営したい」「自分が創業した会社は自分の会社のままであってほしい」と考える経営者であれば、出資は考えないほうがよいでしょう。

 

 創業時や創業して数年経った時、資金が足りないからと安易に出資を募って出資を受け、その後、経営に口出しされることになり経営者が思うように経営できなくなってしまうケースをよく見ます。

 

 そこで株式を買い戻そうとしても、出資者から売らないと言われたり、高い金額を要求されたりしては目も当てられません。融資を受けたらそれを返済すれば済むのですが、出資の場合はいったん出資して保有した株式を手放すのはその出資者しだいなので、経営者の自由にはできません。

 

 一方で、「創業者利益が少なくなってもよいから自分の事業を大きく成長させたい」「出資者にはむしろ自分の経営についていろいろアドバイスして口出ししてほしい」と経営者が考える場合は出資による資金調達は問題ありません。

 

A出資者を探すのがなかなか難しい

 

 融資に比べて、出資者を見つけるのはなかなか難しいです。

 

 出資者の代表格と言えばベンチャーキャピタルですが、ベンチャーキャピタルの人と知り合うことがそもそも難しかったりします。

 

 すでにベンチャーキャピタルと付き合っている知人の経営者からベンチャーキャピタルを紹介してもらうとか、マスコミに自社の記事を書いてもらってそれを見たベンチャーキャピタルから声をかけてもらうなど、時間と労力がかかります。

 

 こちらからベンチャーキャピタルに直接連絡しても足もとを見られて相手にされないことが多いでしょう。

 

 ベンチャーキャピタルのホームページを見るとわかりますが、直接の連絡を避けるため電話番号を書いておらず、問い合わせフォームを1個置いているだけのベンチャーキャピタルも多いものです。

 

 さらに言うと、ベンチャーキャピタルは、出資をしてくれと依頼してくる企業の100社に1〜3社しか、実際に出資をしません。

 

 このようなことから、ベンチャーキャピタルを諦め、豊富に資金を持っている会社や知人に、自社への出資を頼む経営者は多いのが実情です。

 

 ただ、株式上場や高い金額での株式売却ができなければ出資金は回収できないため、出資者候補も実際に出資することには慎重になるものです。